大切に本棚にしまっていた本を、
久しぶりに取り出してみたら、随分と色褪せていた。
そんな経験、誰にでもありますよね。
本は、時間の経過と共にどうしても劣化するもの。
しかし、保存環境を良好に保てば、色褪せを防ぐことが出来ますよ。
色褪せを防ぐための、ベストな保存環境はこれです。
- 「光(紫外線)」が当たらない場所に保管する。
→つまり、原因は光。
- 「高温多湿」を避ける。(図書館の理想の温湿度環境は、
温度20~27℃、湿度50~65%)
→つまり、原因は高温多湿。
図書館の温湿度は、こちらのサイトを参考にしています。
- まめに掃除をして「ほこり」がかぶらないようにする。
→つまり、原因はほこり。
この3点を守って、あなたの大切な本を保管しましょう。
3つの条件をぱっと見る限り、本の保管は、
私たちが快適と感じる環境を作れば良いということになりますね。
それでは、①②③について、もっと詳しく説明していきましょう。
本の表紙が色褪せするのはなぜ?
紫外線
私たち人間も、気になる紫外線。
本にとっても、日焼け、色褪せの原因となっていたのですね。
紫外線は紙を酸化させます。
紙に含まれている成分のリグニン、
そのリグニンが紫外線で酸化してしまうことで、
変色がおきます。
紫外線とは、窓から差し込む日の光だけではありません。
室内の蛍光灯からも微量の紫外線が出ています。
市販のLED照明は、紫外線が出ない物がほとんどです。
今、LED照明を使っていないなら、
この機会に照明を変えるというのもありですね。
高温多湿
本は紙ですから、湿気を吸ってしまいます。
70%以上の高い湿度は大敵です。
高温多湿状態だと、カビが発生するのは想像出来ますよね。
そのせいで、本が変色して黄ばんでしまいます。
それに、湿気を吸った紙はフニャフニャになってしまいます。
本を大切に扱うあなたにとっては、絶対に嫌なことでしょう?
除湿剤を使うなどして、湿気とカビから本を守りましょう。
ほこり
ほこりが色褪せに関係あるの?と、思いますよね?
確かに、ほこりが直接、色褪せの原因になるのではありません。
カビが、ほこりなどの汚れをエサにして繁殖するのです。
結局それが、色褪せ、シミとなるわけなのです。
このように、本が色褪せる原因は3つが主ですが、
それ以外にあるとすれば、たばこです。
あなたはたばこを吸いますか?
あなたでなくても、家族に喫煙者がいる場合は、
たばこが、本が黄ばんでしまう原因となります。
たばこを吸う部屋の壁紙が黄色く変色するのは、ご存じですか?
本も同じように、たばこのヤニが付着して、
黄ばみだけでなく臭いも付きますから、
本を保管している部屋では吸わないように、注意してくださいね。
本の表紙の色褪せを防ぐ方法は?
本の色褪せを防ぐための保管方法を、
最初に示したベストな保管環境の条件を踏まえて、説明しますね。
本棚の場所は、湿気がこもる窓際を避けて、
日光が当たらないところを選びましょう。
窓際は、風通しが良いように思うかもしれませんが、
冬には結露が出て、湿気がこもってしまうからです。
本棚のタイプは、扉付きであればとても良いです。
扉がないなら、本棚ごと押し入れやクローゼットに
収納するというのも、良いアイデアですね。
お部屋の窓には紫外線カットのフィルムを貼り、
紫外線カットのカーテンをつける。
そして本には、紫外線カットのブックカバーをするといいでしょう。
お部屋の温湿度環境は、温度25度前後、湿度60%前後に保ち、
まめに掃除をして、ほこりを取るようにしましょう。
これらの対策全ては出来なくても、
いくつかを組み合わすことで、
かなり良い状態で保管できるのではないでしょうか?
「これでは心配。もっと、完璧な保管方法はないのか?」
「この本だけは、絶対にきれいに保管したい!」
そんなあなたには、こちらの方法をオススメします。
ジップロックに入れて、遮光性のある収納ケースに保管します。
(遮光出来るだろうと思って、段ボールを使用しないでくださいね。
段ボールは紙ですから、当然湿気を吸いますよ。)
本は空気に触れるだけでも劣化してしまいます。
ですから、ジップロックに乾燥剤と一緒に入れて、
しっかり空気を抜き、真空状態にしましょう。
それを遮光性のあるプラスチックなどのケースに収納すれば、
完璧ですね!
これで、光からも、湿気からも、虫からも、ほこりからも、
本を守ることが出来ます。
まとめ
本の色褪せを防ぐ方法、いかがでしたか?
図書館の書庫みたいな環境にはできなくても、
十分、家庭で出来る対策がありましたよね。
数年後もきれいな状態であることを想像しながら、
手間をかけて大切に収納するのは、なんだか、
タイムカプセルを地中に埋めるような感覚に似ているかも?!
そう考えると、本をきれいに保管するというのは、
一つの楽しみと言えますね。
最近では、電子書籍なんてものがありますが、
電子書籍では味わえない楽しみです。
あなたの大切な本、是非、最高の状態で保管してくださいね。